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同じ「コロナ」でも・・・

2020/05/18 14:53:39  船のあれこれ
特定地域を除いて、39県については緊急事態宣言が解除されて、ある程度の日常がもどりつつあるようです。
とはいえ、まだ、県をまたぐ外出は自粛要請が出ていますし、あまりはしゃいでいるわけにもいきません。
ゆっくりと日常を取り戻し、共存していかなければならないようです。

昨今「コロナ」というワードはダーティーなイメージですが・・

実は、「コロナ」という文字、我々海運業界に無縁ではありません。

ご存じも方も多いと思いますが、かつてTOYOTAに「コロナ」というブランドシリーズの乗用車がありました。
いまでこそ日本は自動車輸出大国で、世界を席巻していますが、1960年代後半から1970年初頭にかけて、日本が自動車輸出に進出し始めたころ、現在のようなスタイルの自動車運搬船は存在せず、在来船スタイルの貨物船に、クレーンを使って、一台一台積み込むスタイルだったのです。
 当然のことながら大変非効率で、1時間あたり15台程度だったといわれています。(ちなみに現在は1時間当たり100台以上)
 輸出車両数の増大とともに考え出されたのが「RORO船」(RollOn RollOff)といわれるタイプの荷役形式の船。(直訳すると転がり込んで転がり出る)要するに車が自走して積み込み積み出しをするタイプの貨物船という事です。



統一基準がいるよね・・

追浜丸 | 同じ「コロナ」でも・・・ | 中国地方海運組合連合会|中海連

追浜丸

とはいえ、自動車輸出だけの専用船を作ってしまうと、行きはともかく、帰りに空船で帰らなければならないことから、当時は貨物も混載できるタイプが主流で、日本初のRORO船といわれる「追浜丸」や「第19とよた丸」もこのタイプでした。
その後日本の自動車産業が爆発的に進展すると、混載型の船で非効率な輸送するより、仮に帰りが空船でもさっさと車を下ろして、次の積荷をするため日本に帰るほうが効率的と考えられるようになり、そのために、現在のタイプの自動車専用船(PCC:Pure Car Career)=直訳すれば純粋自動車運搬船が建造されるようになったといわれています。
もちろん現在では、三国間輸送に従事するなど、できるだけ効率的なオペレーションを実施して輸送するようにしています。

で、「コロナ」と船の関係は

一言で自動車と言っても、その大きさはまちまちで、いったい何台積めるのかといった統一的な大きさの基準がありませんでした。
「追浜丸」は主に日産の車を輸送していたため、「ダットサンブルーバード換算〇〇台」という基準を使い、「とよた丸」は「コロナ換算で〇〇台」という基準を使用していました。
しかし、これではユーザー側に分かりにくいこともあり。1966年式コロナ(RT43)の大きさである長さ4.125m、巾1.55mの自動車を標準としてこのサイズの自動車を詰める台数を表ことになりました。

船の世界では様々な指標がありますが、PCC(自動車運搬船)を見かけたら「〇〇RT」あるいは「〇〇RT43」という単位を思い出してみてください。

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